2014年06月27日

クイアバの風

クイアバの気温は、およそ30℃。
はるばる、日本から飛行機で、十数時間。私は、今、ブラジルにいる。

二週間前から、友人のサッカー選手宅に、居候させてもらっている。
今日は、ブラジルの有名な菓子、ハガマッシュトを二個も食べた。
ハガマッシュトは、塩気と甘みのバランスが、やみつきになる、伝統的な菓子だ。

今日は、散歩に出かけた。途中、ランニングをする本田選手を見かけたので、軽い挨拶。
日本人を見て、彼も嬉しそうだ。

一人、ビーチを歩く。
太陽は大きくて、まぶしくて、嫌なことなど、すべて忘れてしまいそうだ。

ふと、現地の人たちに声をかけられた。どうやら、ポカノをやってきて、人が一人、足りないらしい。
もしよかったら、参加しませんか。と彼らは言っているようだ。
現地の言葉はわからなかったが、日本人の私に、彼らは片言の日本語で「おねがいします」と言って笑った。
ポカノなど、やった事もなかったが、テレビなどで見て、ルールはなんとなく知っていた。
普段なら、恥ずかしがって断ってしまう私だが、この陽気な太陽が、私を、ポカノ気分にさせた事は間違いなかった。
私は、しばし、彼らとポカノを楽しんだ。
スポーツもよいものだと、私は気持ちのよい汗を流しながら思った。

彼らと別れたあと、地元のcafeに入った私は、今日三個目のハガマッシュトを食べた。
店によって、味が違うのも、ハガマッシュトの醍醐味だろう。

家に帰ると、友人のサッカー選手が、急遽、ワールドカップに出るとの事で、私は、招待され、スタジアムまで、彼と一緒の車で出かけた。
途中、フーリガンと呼ばれる人たちに遭遇し、車をボコボコにされてしまった。
ちょっと怖かったが、それもまあ、いい思い出だ。
友人は、また車を買い替えなきゃと、笑った。
私は、何でも許せる彼を、素直に、すごいと思った。

スタジアムは、熱狂的な盛り上がりを盛り上がりを見せていて、ただでさえ、ムンムンとする熱気を、更に暑いものとしていた。
私は、友人がとってくれた席へ案内され、ちょうどスタジアムが近くで見下ろせる場所へ座った。
おそらく、特等席なのだろう。隣にいた、ペレという人は、サッカーをよく知らない私でも、名前だけは知っていたし、後ろの席にいた、ベッケンバウアーさんというドイツ人の男性が、私に試合の解説をしてくれたのだが、なんか、すごい詳しかったので、多分、昔、サッカーをやっていたのだろうと思う。

試合は、0対0のまま、前半を終えた。
私の友人に、前半の出場はなかったが、後半になると、彼はとうとう出場した。
彼は、ボールを蹴って、網に入れた。
わき上がる大歓声に、耳がおかしくなりそうだった。
でも、みんなが、喜んでいたので、私も嬉しかった。

私は、彼と現地で別れた。歩いて帰ろうと思ったのだ。
そう遠くはなかったし、何より、ここ、クイアバの夜風が気持ちよかった。
夜風が気持ちいいのは、日本もブラジルも、そう変わらない。レストランの表の席で、多くのサッカーファンたちが、酒を呑み、騒いでいた。
ブラジルに来て二週間、私はこの日々が、いつまでも続いてほしいと願った。

帰り道に、昼間にポカノをした彼らと遭遇した。
私は、彼らから、ザクノスを一緒に食べないかと誘われたが、私は、正直、ザクノスが苦手だった。
また、今度ね、と断ると、残念そうにする彼らを尻目に、私は歩いた。
途中、まだランニングをしている本田選手を見かけ、やっぱり、すごい人だと思った。
クイアバの古い町並みを、私は歩いている。
夜の町は、サッカーのファンたちが、人生を謳歌するように、笑い、歌い、呑み、騒いでいる。
その喧騒は、どこまで歩いても途切れることはなく、私を、より一層、遠い世界へと連れて行ってくれるようだ。
日本は、今頃、梅雨だろうか。
ジメジメとした、あの日本から遠く離れ、このクイアバの地で、私は夜風を浴び、歩いている。

ライトアップされた、ミナコンスター劇場。
そびえ立つカルロの電波塔。
立ち並ぶキッツカルチョ、ルイ・アラモンダの川をゆく、豪華なトットバイアス。
デロイッパ公園のカップルたちは、今日もまた愛を囁きあっている。

私は、それらを横目に歩きながら、およそ一時間ほど歩き、ようやく家へとたどり着いた。

写真は撮らない。なぜなら、私の心に、今尚、焼き付いているからだ。
友人は、サッカーして疲れたのか、すでにベッドで眠っていた。
私は、彼を起こさぬよう、静かにシャワーを浴び、寝床についた。
そして、ノートパソコンを拡げ、今、このブログを更新している。
便利な世の中になったものだ。

この、クイアバの夜風が、みんなにも吹いてくれると嬉しい。

2014、クイアバ、友人キリ・ゴンザレス宅にて

もうわかっていると思うが、
この日記は、全部、嘘だ。
posted by okita at 03:10| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまた久しぶりの更新に喜び、なんとブラジル︎サッカー︎本田︎ペレ︎ゴンザレス︎と興奮しながら読み、最後のオチあせあせ(飛び散る汗)
まるで、『イニシエーションラブ』のよう顔1(うれしいカオ)あせあせ(飛び散る汗)
監督の妄想の世界も随所に細かい拘りを感じます。。その妄想の世界を映像で沢山見せて欲しいですね〜光るハート
Posted by non at 2014年06月27日 08:07
はい。最後まで読まずとも。
でもハガマッシュトは食べてみたい。と思った。
Posted by at 2014年06月27日 08:50
べッケン……辺りでふっと、あれ、これ嘘かも、と疑い始めました。
逆言うと、そこまでは一点の曇りなく疑ってませんでした。笑
Posted by kk at 2014年06月28日 00:39
でしょうね。
なんだかお腹がすきました。
Posted by at 2014年06月28日 01:08
はい。夢でもこう上手くはいきませんね。
Posted by loverukisan at 2014年06月28日 12:47
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/400382292

この記事へのトラックバック